(FOI-File5) 東大生と、Justice!

20年後の未来のために、青山プレップスクールです。

【以前の記事はこちら(あらすじなど)】

(FOI) 「正義」について(Michael Sandel 「Justice」)
(FOI-File1) 中学生と、Justice!
(FOI-File2) 中学生と、Justice!
(FOI-File3) 小学生と、Justice!
(FOI-File4) 高校生と、Justice!


さて、今度は東大生とやってみました。
さすが、東大生!と思える点が、随所に。


★1-1: 直進して5人を轢くか、曲がって1人だけ犠牲になってもらうか?

Yさん:「私は、曲がります」
Sさん:「うーん、どうしようかな~、どうするかな~、曲がるってことは、その1人を殺しにいくのと同じですよね、うーん、うーん」
↑ 今まで聞いた中で、最初の質問で一番悩んでいました。
理系の学生ですが、よく状況を整理して、かつ表面上の合理性だけでない
何かを感じようとしている、自分の頭でちゃんと考えよう、
そんな姿勢が強く表れました。


ぼく: 「何故?」

Yさん:「うーん、はっきり言ってしまえば、『数』です」
↑ おおお、なんとシンプルかつ、こちらの意図(本質)を捉えた回答。
さすがです。


★1-2: 隣の太った人を、押す?

Yさん:「それは、さすがに私でも。。。(笑)」
Sさん:「押せませんね」

ぼく: 「なんで?さっきは、5人救うためなら、1人の犠牲は仕方ないって言ったじゃない!」

Yさん:「それはさすがに殺人じゃないですか~」

ぼく: 「罪だから、罰せられるから、ダメなの?5人を実質的に救うんだよ」

Yさん:「さっきの場合は、5人殺してしまうのも、ある意味自分が手を下すということだったけど、
このケースでは、5人死ぬ時には、自分は部外者でいられるから」

ぼく: 「Yさんが、部外者でいられるなら、何人死んでも、それは『正しい』ことなの?」

Yさん:「人はいつか死ぬものであり、究極的にはそういうことになります」
↑ 開き直った素晴らしい回答。


★2-1: 重篤な1人を救うか、比較的軽症の5人を救うか

Mさん途中参加。

Sさん:「5人を助けるでしょうね~」
Mさん:「私もやはり」
Yさん:「これって、さっきの最初のケースと同じですよね」
↑さすが、「結局何が問題になっているか」に対する意識が、明確ですね。


ぼく: 「何故?」

Yさん:「やはり『数』です」


★2-2: 健康な1人を犠牲にする?

Mさん:「井上さんだったら、どうしますか?」
↑出ました、逆質問。
Yさん:「結局は、『最大多数の最大幸福』ってことですかね」
↑先に言われてしまった。。。


★ 結論

とまあ、全然書ききれていませんが、なかなか盛り上がりました。
さすが、東大生。
さすが、その中でも上澄み。
と思わせられることがしばしば。

彼ら、彼女らは、本当に「エリート」として育っていく、
素養を十分に備えているなと。

だからこそ、たんにアルバイトとしてやってもらうだけでなく、
いろんな経験を積んでもらって、
それから社会に出て欲しいなと思います。



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