(FOI-File4) 高校生と、Justice!

20年後の未来のために、青山プレップスクールです。

【以前の記事はこちら(あらすじなど)】

(FOI) 「正義」について(Michael Sandel 「Justice」)
(FOI-File1) 中学生と、Justice!
(FOI-File2) 中学生と、Justice!
(FOI-File3) 小学生と、Justice!


さて、今度は高校生とやってみました。

★1-1: 直進して5人を轢くか、曲がって1人だけ犠牲になってもらうか?

Yさん:「そりゃあ、しょうがないけど、曲がります」
T君: 「1人の方に行きます」
Rさん:「うーん、仕方ないですね~、曲がります」

ぼく: 「何故?」

Yさん:「5人殺すなら、曲がるしかない」
T君: 「5人死ぬより、1人死ぬ方が、被害が小さいから」
Rさん:「犠牲になる人が少ない方が良いから」

ぼく: 「人数の問題ってこと?」

Yさん:「はい」
T君: 「うーん、はい」
Rさん:「はい」


★1-2: 隣の太った人を、押す?

Yさん:「押すんですか?押さないです」
T君: 「さっきの法則からすると、押すんですかね~」
Rさん:「押せってことですか!えー、押しません、ってか多分、押せません」

ぼく: 「なんで?さっきは、5人救うためなら、1人の犠牲は仕方ないって言ったじゃない!」

Yさん:「だって、それって殺人ですよね」
T君: 「全然関係ない人を、殺してしまうのは良くない」
Rさん:「だってー、ダメに決まってるじゃないですか~、怖いじゃないですか~」


★2-1: 重篤な1人を救うか、比較的軽症の5人を救うか

Yさん:「5人を助けます」
T君: 「5人の方を救います」
Rさん:「その1人はかわいそうだけど。。。」

ぼく: 「何故?」

Yさん:「5人助かったの方が、喜ぶ人が多いから」
T君: 「やっぱり、犠牲は少ない方が良いから」
Rさん:「5人も死んじゃったら、大変じゃないですか~」


★2-2: 健康な1人を犠牲にする?

Yさん:「(笑)そんなのひどいじゃないですか~」
T君: 「やっぱり、その人は関係ないから、関係ない人を殺すのはよくない」
Rさん:「しません。無理です」

ぼく: 「何故?」

Yさん:「いや~、無理ですよ~(笑)」
T君: 「いくら結果として5人助かったとしても、関係ない人を殺すのは良くないから」
Rさん:「当たり前じゃないですか~」


★ 結局ね

ぼく: 「これは、何か意地悪なクイズを出して、性格判断しようっていうわけじゃないのね。
自分が、『何となくこう思おう、感じる』と思うことにも、
必ずその【根拠】があって、【価値観】があって、【正義】がある。
そのことを、考えるための練習であって、
そして、これから大人になって行くにあたって、
【自分は何を信じるか】、【他人が信じるものを、自分も想像できるか】
そんなことが、とても大切になってくるのね。

今、自分が当たり前と思っていることでも、
もう一度自分の頭で、0から、つまり原理原則から
考え直してみることは、とても大切だよ。


★ 結論

高校生になると、かなり論理はしっかりしてきますね。

しかし、だからこそなのでしょうが、
自分が考えることが、当たり前、普通、常識、
と捉えてしまい、それ以上考える意欲が弱まっていると感じました。


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