十四、五になって初めて

「福翁自伝」
天下の子供みなきらいだろう。私ははなはだきらいであったから休んでばかりで何もしない。手習いもしなければ本も読まない。
根ッから何もせずにいたところが、十四か十五になってみると、近所に知っている者はみな本を読んでいるのに、自分ひとり読まぬというのは外聞が悪いとか恥ずかしいとか思ったのでしょう。それから自分でほんとうに読む気になって、いなかの塾へ行きはじめました。
福沢諭吉は、中津藩の下級武士の貧しい家に生まれ、また早くして父を亡くしました。
ただ、貧しいながらも、「正しい家風」の中で育ったそうです。
自然とそうなったのは、父の遺風と母の感化力だろうと言っています。

家風は正しくとも、十四歳ころまでは、まったく勉強などしなかったと書いています。

その後、「自分でほんとうに読む気になって」、
しばらくして、先生よりもよく読めるようになってしまったそうです。
先生は文字を読むつもりでその意味は受取りの悪い書生だから。。。
極端な例だとは思いますが、「本当の自分の勉強」を始めるのに、早いも遅いもなく、
その人のタイミングがあるのだろうと思います。

ただし、福沢諭吉にしてさえ、「外聞が悪いとか恥ずかしい」ということをきっかけとしたくらいですので、
動機はそんなものでも(何でも)良いのだと思います。

が、
何の知識もないことがTVタレントとしてもてはやされたり、
知識があること(=クイズに答えられること)が、頭が良いとされたり、
そういう風潮はちょっと止めて欲しいなと思います。




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