計算を速くするには。。。
「計算力がないんです」
「計算が遅くて」
そういうお悩みは、生徒さんご本人からも、また保護者さまからもよくいただきます。
(「ミスが多くて。。。」というお話もよくありますが、それは別の機会に)
そういう生徒さんに限って、以前通った塾で
「正確さはいいから、とにかく速くやった方がいいのよ」
などと教えられているそうで、、、
意図はわからなくもないですが、まったく伝わっていないのが悲劇です。
意図(おそらく):
「テンポが悪いと、余計に間違えてしまうことがある。ダラダラ解くのではなく、集中してやりましょう」
意図(悪く解釈すると)
計算が速い方が、単に頭が良く見える
悲劇:
いい加減に「これでいいや」とやってしまうので、テストで×になってしまい、やる気も失せる
とても、簡単なことなので、丁寧に教えて欲しいです。
【前提】
現状、学校で勉強をやる上で、テストというのは避けられません。
テストは、正解が決まっていて、どんなにいいアプローチをしても、計算が間違っていれば、×です。
【スピードを上げるために】
1.まず正確さをあげることに集中すること
結果が違ってしまっては、いくら速くやったところで、
それに使った時間と労力に対する評価は0です。
2.正確さをあげるためには
基礎練習はもちろん必要ですが、
単に練習のための練習にならないこと
数字の関連、イメージを意識すること(驚き、発見を伴うとさらに良い)
リズムを保つこと
正確さをあげるための、「計算(または検算)の工夫」をすること
そうすれば、結果はおのずとついてきます。
逆に、これで出せるスピードが、その生徒さんにとってのベストなスピードであり、
これを超える必要はありません。
(たとえ、入試問題であっても、計算だけで時間が足りなくなることはありません。
それ以外に、もっと改善すべきところはあるはずです)
こういうのは、学校社会しかしらない先生や大学生では難しいのかなあ、、、とも
思いますが、仕事としてやっている以上は、明確に示してあげる必要があります。
以下、余談を3つ。
【余談1】
仮に、1行の計算で5%だけミスが出る確率があるとして。。。95%ならいいんじゃない?と思われるかもしれませんが、1問解くのに、5行かかるとすれば、0.95^5=0.77 (77%)10行かかるとすれば、60%。10行かかる問題は、それなりに時間もかかり、また配点も高いでしょう。それが、4割の確率で、0点になってしまうなんて、もったいない。。。人間ですので、0%というのは難しいですが、最低限2.5%未満になるように!
【余談2】
勉強やテストって、基本的に「自分のため」のことなので、失敗した時の痛さが、わかるようなわからないような。。。その点、仕事は所詮他人事なのですが、だからこそ、責任が発生します。「このボタン1つ押し間違えたら、もしかしたら。。。・ 何億円という損害を出してしまうかもしれない・ 何万人というお客様に迷惑をかけてしまうかもしれない・ これまでみんなでやった、何百、何千という時間が吹き飛んでしまうかもしれない・ 復旧するのに、これまでと同等以上の労力を要するだろうそんなプレッシャーを経験したことがない人が、単に目先のテストのことだけを考えて、安直な発言をしてしまう、または明確に答えられないのは、困ったことです。
【余談3】
IT系、コンサル系といった人たちは、とにかく「楽をするために苦労する」という考えで徹底していますね。「余計手間かかって、時間も食ってるんじゃないの???」と思うこともありますが、その積み重ねが、将来大きな差を生んでいくのです。