読解力をあげる(主題歌:Dr.STONE)

国語がどうにも苦手という子でも、何か手がかりはあるはず。

『Dr.STONE』が好きな子なので、今日はその主題歌を使って授業をしました。


第1シーズンの主題歌の冒頭。

「おはよう、世界。Good morning, world.」


わたし: これってどういう意味? 変じゃない? 変だよ!

Aくん: 何が変?別にいいんじゃない?

わたし: 実際に言ったら、変だと思うよ。「こんにちは、世界」だったら、譲れるけれど、おはようって使う場面が、決まってない?


(中略)

で、最終的には地球の自転や時差のお話を。


わたし: だから、「おはよう!」ってちょっと違和感あるはずなんだけど、このマンガの主題歌としては、最高だよね!!


その次の歌詞。

「どれほど歩いただろう。足の痛みだけがその距離を物語る」


実際には対話的に話をしていますが、長くなるのでまとめると。

ここでは倒置という技法が使われていること、そしてこの歌っている人が、ほとんど手がかりのない状況で歩き続けていることがわかる。


その次の歌詞。

「長い夜を超えた絶景への期待が、今日、僕を生かしている」


ここでは、無生物主語が使われていますね。期待が人を生かすってどういうことかわかるかな?


「神々の霊峰、新緑の宮殿」

ここは、対句になっているだろうことはわかるんだけど、「宮殿」のところがとても聞き取りづらくておかしかったよね。絶対に、わかってないと聞き取れないよね。間違えまくって、とてもおもしろい!!


「岩窟の最奥、蒼穹の果て」

さいおうとだけ聞いても、意味がわからないよね。漢字って便利!!

蒼穹の果て・・・どこを旅しているんだろう?

でも、ずっと旅しているところの話をしているよね。ずっとこの人は歩いているんだよね。絶景への期待を胸に。


歌詞を題材にお話をしていきました。


何がやりたかったのか、こちらの意図も最後にお話ししています。

普段、何気なく耳に入っている音楽も、意味があってよく聞くと面白いし、わかることが増えたりもする。また、いろいろな技(詩の技法)も駆使しているよ。そうやって歌はできているし、普段の会話の中にもおもしろいことは隠れているよ。

「なんとなく」で聞き流さずに、わからないことがあったら覚えておいて質問してね!!



国語が苦手、読解力が弱い子の多くは、言葉に対する興味がない場合が多いです。

でも、興味がないというのはとても表面的なこと。たまたまこれまでのその短い人生の中で、そのおもしろさを知るきっかけがなかっただけ。きっかけってとてもおもしろくって、どんな小さなことでも、きっかけになるチャンスはあるよ。


今日の授業が、小さなきっかけになればと思います。


*実際、私ができる「授業」なんて、本来の知的活動のごくごくわずかにすぎません。日常の中に、おもしろがることができる小さなきっかけを与えられるか、が私が勝負しているところです。


授業後に、保護者の方から連絡をいただき、いろいろな歌の歌詞を調べ始めた、いろいろ聞かれた、と。

それが何よりうれしかったです。


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