(学びの五輪書)中段の構え

20年後の未来のために、青山プレップスクールです。


5つの構えをより具体的に。
前回は、上段の構えについて。
これは、言い方悪いですが、誰でもできるのです。
仕事で言えば、新入社員とか、アルバイトがやるような、
言われた通りにやるだけですから。


今日は、『中段の構え』について。

新免武蔵は、『五輪書』の中で書いています。

”此道の大事にいはく、構のきはまりに中段と心得べし”



















さて、これが数学(に限らないと思うのですが)になると、
どういうことでしょうか。


また、具体的な問題を見ていきましょう。
今回も、GMATのOfficial Guideより。


58.  31/125 = ?
(A)  0.248
(B)  0.252
(C)  0.284
(D)  0.312
(E)  0.320

いきなり、簡単すぎる問題ですが、
こういう小さいところにさえも、
アプローチの違いが生まれてきます。

素直に解く(上段)とすれば、、、
分数を小数に直すわけですから、割り算をするでしょう。


しかし、割り算というのは、四則の中では一番難しい。
中身は、概数的な考え方、掛け算、引き算ですからね。
ちょっとしたミスが命取りになるので、
できれば、割り算はしたくないのです。


そこで、どう考えるかというと、、、

1.分数を小数に直したい
2.分母を見ると、125である

ということは、倍分(約分の逆)していった方が速いな。
125 x 8 = 1000
だから、分子を8倍すると、、、1の位が8になる。

ここで、念のため、選択肢を見てみると、
1/1000の位が8のものは、1つしかないので、

あー、もうこれで終わりか。



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というように、書いて計算する必要は、まったくありません。


選択肢を見ても、おそらく出題者はそれを意図しています。

1/1000の位が8のものを1つだけとすることで、
そのように考えた人には、ボーナスを与えている!



ちょっと簡単すぎたので、もう一問。


175.  A square wooden plaque has a square brass inlay in the center, leaving a wooden strip of uniform width around the brass square.  If the ratio of the brass area to the wooden area is 25 to 39, which of the following could be the width, in inches, of the wooden strip? 
I.  1
II.  3
III. 4
(A)  I only
(B)  II only
(C)  I and II only
(D)  I and III only
(E)  I, II, and III

一応、粗訳しておきますね。

木でできた正方形の plaque があって、その中に brass の正方形があり、
残された木の部分の幅はどこも同じ。
内側の brass の部分の正方形の面積と、残された木の部分の面積の比は、25:39。
次の選択肢のうち、どれが、残された木の部分の幅となりうるか?


内側の、外側の面積比が、25:39ということは、
内側の正方形と、外側の正方形の面積比は、25:64。
ということは、2つの正方形の相似比は、5:8。

ここで今、問題で聞かれているのは、見えている木の部分の幅としてあり得る長さ。



素直に解くならば、、、内側の正方形の一片を、x。木の幅をwとすると、
外側の正方形の一片の長さは、(x+w)となり、
x:w=x:x+w=5:8
として方程式を解いていくことになるでしょうか。

これはこれで、確実に出来て欲しいことではあるのですが、、、


もっと本質的に考えると、、、
2つの正方形の比しか、与えられていないわけですから、
すんごい小さい正方形でも、
ものすごく大きな正方形でも、
なんでもいいわけです!

ということは、木の部分の幅も、なんでもいい (どんな値でもなり得る)

だから、いきなり、(E)と答えられるはずです。



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問題の中核がわかれば、
このように、ほとんど計算せずに (つまり、時間も労力もかけずに)
また、計算ミスという、無駄なリスクを背負うことなく、
解くことが出来ます。



GMATを教えるときも、学校の数学を教えるときも、
いつも、
△ 問題文を読んで、いきなり頭から順番に手をつけて行くのではなく
◎ 与えられた情報と、知りたい情報をつなぐ、中核は何か?を、考えるようにしましょう。


そのためには、(なかなか難しいのですが)
1つの問題を解いて、
正解したかどうか、だけで満足するのではなく、

□ もっと別の考え方はなかったか?
□ そのうちで、どれが最適であったか?

といったことを、いつも復習するようにしましょう。


努力はしているけれども、
なかなか成績が伸びないという人は、特に!



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