(家庭学習習慣より、思考習慣) 暗記の練習

20年後の未来へ向けて、青山プレップスクールです。


毎日机に座って30分、算数や国語の勉強をすることが、無駄とは言いませんが、
子どもたちの学力の決定要因にはならない、というのがぼくの考え。
では、何が決定要因になるかというと、
普段、何気ない日常の中で、何をどう考えているか、といった思考習慣。



今回は、記憶のお話です。


たしかに、上手に覚えられる子と、

すーぐ忘れちゃう子がいるのは、現実。

でも、それって「頭の良さ」や「遺伝的なもの」と関係があるの?


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遺伝的なもの、脳の障害などの影響が、まったくないとは言いません。


でも、ほとんどの、ほとんどの子にとっては、


☆ 関心領域が、ちょっと異なっている

☆ 「覚える」、「思い出す」ということの練習不足

☆ もうちょっと機械的なこと

だと、思います。

★ 「意欲の問題」とは、敢えていいません。

   「モチベーション」って何だ? 「関心領域」の話で説明できると思います。


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☆ 関心領域について

   ◆ 人は、既に知っていることの周辺事項しか、関心がない。

   以前、出典は忘れてしまいましたが、

   ”人は、同じニュースばかりを見ている” という調査結果がありました。

   インターネットは、閲覧者の履歴を取ることができますので、

   あるニュースを見た人が、次に何のニュースを見ているか、、、、調べることができます。


   その結果わかったことは、”人は、同じニュースを繰り返し見ている”。

   気になる話題があったら、ほとんど内容が異ならないことを知りながら、

   何度でも、関連ニュースを見ているとのことです。


   ニュースを見る (本来の?) 目的からすれば、幅広く、最新情報を集めることのはずですが、

   実際、ぼくにも、心当たりがあります。

          ぼくは野球に興味がありますから、

          たとえばダルビッシュ投手のニュースがあれば、

          それを、スポーツ新聞のサイトで見、別のスポーツ新聞のサイトで見、

          TVのスポーツニュースを見、チャンネルを変えて見、

          特集記事や番組、雑誌が出れば見、、、、

   それらを通じて、ちょっとずつ、ほんの数%でも新しい発見があれば良い方で、

   「全部知ってました!」ってことが、たいていです。(笑)



   でもそれが、人にとって「自然な学び方」なんだと思います。


   既によく知っている事の周辺に、新しい知識は着いていく


   特に子どもの場合は、関心領域(既によく知っている事)が偏っている場合があります。

         電車に詳しい、怪獣に詳しい、昆虫に詳しい、

         アニメの特定のキャラクターに詳しい、、、

   しかし、残念ならが学校の教科書は、

   『電車に詳しい子向け』に作られていませんし、

   市販の参考書、問題集も、

   『昆虫に詳しい子のための算数問題集』 というのは、見かけたことがありません。


   【一般的に】、日常生活にありそうな場面などを取り上げながら、

   解説せざるを得ない。だって、教科書はみんなのものですし、

   問題集は、ある程度の部数売らなければなりませんから。


   とすると、対策は2つ。

   ★ 関心を広げるという方向性

     普段の日常の一般的な暮らしに、「関心」を持たせるようにする

   ★ 関心に近づけるという方向性

     その子の関心あるものに、教科の内容を合わせて再編する



   自分が対象に歩み寄っていくか、対象を自分に引き寄せるか

   もちろん、その組み合わせになるわけです。

   いずれにしても、関心領域との距離を縮めることが、暗記のための第一歩です。



☆ 覚える、思い出す練習

   こちらはもっと簡単です。

   多少頭が良いとか、そんな差は、ほとんど誤差に過ぎなくて、

   積極的にそういう訓練をしているかどうか。


   ぜーんぶ親が決めてしまって、

   言う通りにさえ行動していれば怒られない

   そういう状態にしてしまっては、「覚える」、「思い出す」というせっかくの練習機会を

   逃してしまいます。


   買い物に行く時、旅行に行く時、人に会う時、家で話している時、

   ★ 大事なことを、ちょっと覚えておいてもらう

   ★ 「ほら、さっきのあれなんだっけ?」 思い出してもらう

   ★ 「○○(名前)は、暗記が得意だね!」

   以上、終了です。(笑)




   何か、大事なことを覚えておく、ということは、

   いいことなんだ! と思ってもらえれば、

   覚えること自体を、前述の「関心領域」とすることもできます。



☆ もうちょっと機械的なこと



   こちらはもっと機械的です。

   「ちょうど忘れたころに思い出す」

   まだ覚えているうちにテストしたって、覚えています。

   完璧に忘れてしまった!後にテストしたって、思い出せそうにありません。

   ちょうど忘れそうな頃合いを見計らって、再インプットを繰り返せば、

   脳の方がだまされて、覚えてくれるでしょう。


   その、「ちょうど忘れる頃合い」というのは、

   他諸条件に寄りますが、基本的には、だんだん間隔が延びていく。

   3分後、30分後、3時間後、寝る前、起きた後、次の日の寝る前、3日後・・・

   このくらいしつこく、かつ間隔を伸ばしながら再インプットしていけば、

   嫌でも覚えてしまうでしょう。

   試しに、とてつもなく変なこと(覚えにくそうなこと)で、実験してみてください。(笑)





◆ 関心領域との距離を縮めること

◆ 覚える、思い出すことを日常の中で、「大切なこと」だと思えるようにすること

◆ 忘れたころに再インプット、その間隔を徐々に延ばす


※ 「強い刺激を与える」、「インパクトを強める」 というのも、よく使われる方法ですが、

   人間、『慣れ』ていくものですので、ぼくはあまりお薦めしません。。。

   結局は、より強い刺激が必要になっていく・・・


この3点。

特に、小学校低学年の時期に、やっていただけたらな、と思います。



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