小さきものに (マイクロソフト社とは関係のない、細かくて、柔らかくて、、、広大な世界)

20年後の未来へ向けて、青山プレップスクールです。



次の世代に、よい未来を引き渡したい。


それが、ぼくが今の仕事を始めた理由。


それはもちろん、

子どもたちのためになるかもしれませんが、

言ってしまえば、単に結果に過ぎず、

究極的に言ってしまえば、

ぼくが勝手に、

自分の興味のあることをしているだけ。

ということも、できます。


それがたまたま、「人が賢くなってもらわないと困る!」 という仕事であっただけです。


たくさんの生徒さん、保護者さま、先生(大学生)方、ご近所の方々、友人・知人、、、に

ご支援、ご協力、ご指導、数々のヒントを頂戴して、

おかげさまで、6年が経とうとしています。


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それまでは、大きな世界の人でした。


   ◆ 誰もが使いやすい仕組みの設計

   ◆ 誰がやっても、ミスが生じない仕組みの構築

   ◆ メンバーが働きやすいチーム運営

   ◆ 知的活動を、どうやって工業化するか?


そういうお仕事でした。

人並み以上に一生懸命、楽しく仕事をしてきたと思います。


今でも大切な仕事だと思いますし、

それを支えている以前の先輩方、同僚、後輩たちには、

本当に頭が下がります。




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しかし、最初から、そしてやればやるほど、

自分の中の違和感が、

解消されるどころか、むしろ大きくなっていったのです。

それは、端的に言ってしまえば、

   『 いい仕組みを作れば、

    いいサービスを提供すれば、

    いい社会を実現すれば、

    ひとは、いい人間になるの? より高度な人間になるの?

    今よりも良い未来を、次の世代に引き渡せるの?』

ということ。


たしかに、

便利になるでしょう。苦痛は減るでしょう。

不平等は減るかもしれませんし、

もっと贅沢ができるようになるかもしれません。

どこに行っても、高層ビルと大きな道路、

均質なサービスを、統一料金で、

便利で安全で、清潔で快適で・・・・


そういうのって、あんまり好きになれないな、と。


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ぼくの好みは、(単なる好みです)

環境最悪でも、仕組みが全くなってなくっても、

不便でも、困難でも、

それを楽しむ気持ちと、かしこさを、一人一人が持っていて、

「とにかく、何とかする!」


そういう方が、おもしろいんじゃないかなと、

いうのが、ぼくの好み。


だから、社会(や会社やサービスや製品)を、どうこうしよう

というよりは、

何があっても、何とかできるようになるためにはどうしたらいいのか?


という、まあバカげたことを、真剣に考えています。


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問題がわかっているなら、そのための対策を練ればよい。

いいや、もっといえば、答えを覚えてしまえばよい。


   * おそらくは、普通の学校とか塾・予備校は、そうしますよね。

   * 定期テストにせよ、受験にせよ、各種資格試験にせよ、

   * 相手がわかれば、対策はできますから。


だけど、ぼくには (いえ、ぼくが勝手に縛りを入れているのですが)

そもそも、問題すらわかっていない。

何が出るかわからない。

想像もできないようなことが起こる (可能性は十分にある)

くらいしか、わかっていないのです。


あー、大変だ。


   * あんな津波が来る

   * まさかという大企業が、大幅なリストラをする、他企業に吸収合併される

   * この子に野球をさせれば、将来イチローになる


とわかってれば、対処は出来ます。


問題は、

ひとりひとりが、将来において直面する問題が、不可知であること。



もしかしたら、過去のさまざまな問題に対する、対処と結果が全部わかっていたら、

適用できるケースがあるかもしれません。

だけど、それをやろうとすると、一生以上かかってしまうでしょう。

さらには、1つとして同じ問題は起こらないし、

過去に起こったことのない問題だって、じゅうぶん起こり得ます。



きゃー、どうしましょう。


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その時ヒントになったのが、【消化の話】。

ひとは、牛肉を食べたからって、牛にはなりません。 (ひとに限らず)

体に取り入れた肉を、そのまま使うのではなく、

たんぱく質を利用するのでもなく、

アミノ酸にまで分解して、

そこからまたたんぱく質をつくり直す。


生命の仕組みは、これに限らず、

とても小さくて、精密で、まだまだ謎に満ちています。


小さな細胞が60兆も集まって、人間になっていて、

その小さな細胞も、小さな小さなたくさんのたんぱく質や何かでできていて、

その小さな小さなたんぱく質も、小さな小さな小さなたくさんのアミノ酸でできていて、

その小さな小さな小さなアミノ酸も、小さな小さな小さな小さなたくさんの分子が集まって出来ていて、、、



それで、

   「腹減った」 とか 「最近いいことないな~」 とか 「政治が悪い」 「経済がどうたら」 とか、

思っている。。。らしい。。。ほんとに???




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ちょっと飛躍しますが、

生物の反応、生命活動って、こんなもんなんだろうと思ったのです。


膨大な、膨大な、

小さな小さな基礎知識が集中して、

1つの、1+1を理解したり、言葉を覚えたり。


そして、

応用力があるとか、地頭が良いとかって、

膨大な基礎知識が、有機的に活動している状態なんじゃないかなと思うんです。



1つ1つの問題を、そのまま覚えても意味がない。

それを、咀嚼して咀嚼して、目に見えないくらい小さなものにまで分解して頭に入れておく。

そして、それを高速に組み立てる練習をする。


そういう頭をつくることが、

何がきても、何とかできるようにする

ということじゃないかなと。



そして、もうひとつ。

頭の働きは、心の働きと密接に連動している。

心は気持ちとも繋がっている。

だけど、頭を働かせるには、自分の気持ち(感情)はいったんおいておいて、

深いところの心をどうやって動かすか。


心の中に、その小さな小さな膨大な基礎が詰まってるんじゃないかな。


そんなことを日々考えながら、

子どもたちに接しているのですが、

そろそろ、みんな来てしまう時間になり、

最後相当尻切れ気味です。。。







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