(GMAT MATH) Data Sufficiency 攻略法

20年後の未来のために、新・青山Fプレップスクールです。


GMAT対策についてです。



今回は特に、Data Sufficiencyの攻略法について、お話ししたいと思います。



まずそもそもですが、Data Sufficiency という出題形式について。

これは、GMAT独特かなと思うのですが(他をあまり知らなくてすみません)、
なぜこのような出題形式を、GMATは要求しているのか、というところから。


Data Sufficiencyとは、
設問で与えられる【知りたい情報】に対して、
選択肢が、2つ与えられます。

A: (1)の情報があれば、【知りたい情報】がわかるのか
B: (2)の情報があれば、【知りたい情報】がわかるのか
C: (1)(2)の情報を合わせて考えれば、わかるのか
D: (1)(2)それぞれの情報単独で、それぞれわかるのか (つまり、AでもありBでもある)
E: (1)(2)の情報を使っても、【知りたい情報】はわからないのか

ということを選択させる出題形式です。
知りたい情報に対して、Data(選択肢の情報) が
Sufficient であるかどうか、という判断を問われています。



少し具体例を見てみましょう。

オフィシャル・ガイドの1番

Q. What is the value of |x| ?

(1) x = -|x|

(2) x^2 = 4


A: Statement (1) ALONE is sufficient, but statement (2) alone is not sufficient.
B: Statement (2) ALONE is sufficient, but statement (1) alone is not sufficient.
C: BOTH statements TOGETHER are sufficient, but NEITHER statement ALONE is sufficient.
D: EACH statement ALONE is sufficient.
E: Statements (1) and (2) TOGETHER are not sufficient.


(*注 Data Sufficiencyにおいては、答えの選択肢はいつも同じです)



このテストは、受験者の数学力を試しているというよりは、
情報を構造的に、論理的にとらえられているか。関係性を瞬時に把握できるか。
といったことをテストされているのだと思います。

それは、いざMBAを取得するとなった時に、
× 数学的な知識があるかどうか、
× なんか適当にぐちゃぐちゃやっていれば答えが出た
というアプローチではなくて、
◎ 設問で与えられた情報と知りたい情報の関係性、そして欠落情報が何であるかを見抜く力
が必要になるということを、物語っていると私は思います。



したがって、私が普段アドバイスしているのは、
× プラグイン(適当な値代入)を使わない
ということです。

◎ 情報の関係性を把握する
ということです。



プラグイン(適当な値代入)は、確かに簡単であり、
適切な値を選べれば、すばやく解ける場合があります。

しかし一方では、やみくもに値を代入していては、
時間はかかるし、正解にはならないし、、、
そもそも、情報の関係性を把握するという意識が鍛えられません。



子どもたちの指導の時でも、
単にテストの点数や、受験に合格しさえすればいいというスタイルでないように、

MBAを受験される方の指導においても、(目標点を取っていただくことは当然として)
留学中も、そしてその後においても必要な、センスを磨いてほしい、
というのが、私の願いです。


先の例について、解説をしておきますと、
そもそも絶対値とは何か?ということは、きちんと把握しておきましょう。
定義を確認することは、いわゆる文系の学問においても、言うまでもなく重要なことです。


絶対値=絶対的な値

何が絶対的なの?

私たちは、中学生になった時に、正の数、負の数というものを習っています。
その時以来、数というものは、符号(プラス/マイナス)と数字みたいなものから
出来上がっています。

+5   → + と 5
-2.5 → - と 2.5
2/3  → + と 2/3

プラス/マイナスは、実は見る人によって、異なる場合があります。

東に行きたい人にとっては、東向きがプラスで、西向きがマイナス。
子どもの成長を見る時には、体重増はプラスで、体重減はマイナス。
体重を減らしたい人にとっては、減量がプラスで、増量はマイナス。

評価者によって、向きが変わる可能性のある符号に対して、
基準値からどの程度離れているか(距離みたいなもの)を表わす数字部分は、
変わることはありません。

したがって、この数字部分のことを、【絶対値】と呼ぶわけです。



さて、本題です。

Q. What is the value of |x| ?

ここで、慌てて選択肢を見てはいけません。
まず題意をはっきりと把握しましょう。

知りたい情報は、xの絶対値(数字部分)です。
当然、この段階ではわかりません。

じゃあ、どういう情報が与えられれば、xの絶対値はわかるのか?

□ xの値

□ 原点からの距離

あたりがすぐに思いつくと思いますが、(今回は残念ながらあまりうまくいかないのですが)
このステップを一度踏んでおくことは重要です。

そのうえで、やおら選択肢に入ります。

(1) x = -|x|

  ここで、プラグインをいきなり始める人が多いですが、
  確かにこの程度ならば、そうしてしまっても構わないのですが、
  ここは、少し我慢してください。論理的に考えましょう。

  |x|の値が知りたいときに、
  x=-|x|というDataが与えられたら?
  知りたい形に合わせます。
  |x|=ーx

  知りたい|x|は、xのマイナス倍だね。
  これで、|x|はわかるでしょうか。
  知りたいものは、何か(x)をマイナス倍したものです。
  と言われても、これで確定できるはずはない、と考えるのが順当な思考法です。

  よって、これ単独では決定できない。


(2) x^2 = 4

  xを2乗すれば、4です。
  つまり、、、
  xは、+2 か、-2のいずれかです。

  しかし、今知りたい情報は、|x|です。xではありません。
  xが+2であっても、-2であっても、|x|=2となり、確定させることができます。

  よって、これ単独で決定できます。


したがって、この問題の答えは、Bとなります。



慣れないと逆に難しく感じるかもしれませんが、
GMATで高得点を目指す方、留学を充実したものにしたい方には、
ぜひマスターしていただきたい、
そのためのトレーニングだと捉えていただきたい、
というのが、普段にアドバイスの一端です。

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