(速報) 計算力と、算数・数学力の、理不尽な関係

20年後の未来のために、青山プレップスクールです。



最近、iPhone の Ninimaths というアプリにはまっています。


これを使って、とても簡単な実験をしています。

20~30人ですが、ちょっと意外な結果になっています。



★ 計算力と、算数・数学力は、ほとんど関係がない


じゃあ、何と関係がありそうかというと・・・

★ 計算力と、年齢は、関係がありそう




えっ・・・


ただ、年齢が増えれば、計算力は増すの?




実験は、さまざまな子どもを対象に、

1ケタ同士の足し算・引き算・掛け算の混ざった問題を

30問解いてもらって、

その得点 (スピードも加味された、Ninimaths のアルゴリズム)

で評価しています。



細かな実験データは集計中ですが、

おおざっぱにいえば、算数・数学の成績にかかわらず、

また、この子は数学できるな、とぼくが日頃思っていることも、ほとんども関係なく、

ごくごく単純に



小学校低学年: 10点台

小学校高学年: 20点台

中学生: 30点台

高校生: 40点台


ほぼ、このようなデータになります。

ちなみに、ぼくが何回かやって、最高は49点。

東大生たちにもやってもらって、みんな40点台。

ムキになった法学部生が最高得点で、51点 (笑)。

↑ 別の話ですが、こういうことは、良いこと!


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どうして、このような結果になるのか、

観察しながら、考えています。



今のところ考えられるのは、、、以下の2つ。


★ このくらい簡単な計算だと、

   数学できない子でも、それなりに量をこなしてきており、

   経験『量』が、結果に影響している。


★ このくらい簡単な計算だと、

   計算力よりは、反射神経や、器用さ、『テキパキさ』が、結果に大きく影響する。


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これらから、さらに、今後の指導に向けて考えられること


◎ やたら難しい計算をたくさんやることに、意味はないのではないか。

   計算ができても、数学はできないことはいくらでもある。

   逆に、そんなに計算できなくても、年齢を重ねればそれなりにできるようになる。


◎ 『テキパキさ』は、あった方が、ないよりはいいので、

   『テキパキさ』のトレーニングとして、

   簡単な計算を、数多く、スピードを重視して練習する。



小学校の時に、すごく算数で来た子が、

その後、伸び悩んだりするのとも、関係があるのではないかと思っています。



脱ゆとり教育に、逆行するようではありますが、

変な、うんざりさせることだけが目的のような、

計算のための計算問題をやらせるよりも、

意味のある計算問題を、できるのわかっていても経験値を積むために、やることの方が、

ぼくは、大切だと思っています。

そういうぼくだから、こういう結論を導いてしまったのかもしれませんが。。。

(でも、データとしては、本当です)





対象を増やしたり、

計算の難易度を変えたりして、

研究は続けていきます。





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