自分の目で見たものに感動できる心が、科学の第一歩

20年後の未来のために、青山プレップスクールです。



右の本は、マイケル・ファラデーが、70歳の時に行った

ロンドンでのクリスマス講演の様子を記したもの。

ろうそく (当時身近であったもの) を使って、

最先端の研究成果の近くまで、6回の講義で

子どもたちを導いていきます。


この中で、ファラデーがしきりに口にするのが、

     この美しい ~~

という言葉。



それまでも、何万人もの人々が、ろうそくの炎を見たことでしょう。

しかし一方では、ファラデーほどその美しさに心を動かされた人も、多くはないのでしょう。


もちろん、ろうそくに限った話ではありません。

◇ ダムの美しさに感動する友人がいます。

◇ コンピュータ・プログラムの美しさについて語る先輩がいます。

◇ 日本語の美しさ、源氏物語の世界に魅了されている人がたくさんいます。

◇ 数式が、美しいという大学生がいます。

◇ 「笑い」の力に感動し、希望を見出す友人もいます。

◇ 生命の不思議、本当に不思議です。

何かを見て、感動できるかどうかって、【感性の問題】 なのでしょうか。



同じモノを見ても、それに感動する人と、「あー、それ知ってる」という人と、

「そんなんどうでもいいじゃん」という人と、、、

人によって反応がさまざまなのは、どうしてでしょう。


特に、子どもたちを見ていると顕著ですが、

「それ、知ってる」と自分で思っていると、ほとんど見なくなってしまいます。

水槽で飼っているタナゴをちらっと見て、「あー、メダカね、学校で飼ってるから知ってるよ」

ぜんぜん知らねーだろー(笑)。



スピード優先、情報先行の現代においてこそ、

身の回りのちょっとしたことに、不思議だなと思ったり、きれいだなと感じたり、

知れば知るほどよくできている、知りたいことが広がっていく、、、

そういう感動を大切にして、感性を磨いていってほしいなと思います。

何かに感動した経験は、素直で謙虚な気持ちを、同時に引き起こすものと思います。



一方では、最近話題になった、あのニュースについて。

いわゆる、自称文系の人たちってすごく、数字が好きで、「論理的」で、他人を決めつけすぎてないかな。

◆ これが、視聴者・読者が知りたい情報だ。

◆ 「わかりやすく」 伝えた方が、数字が取れる。

◆ 「リケジョ」をキーワードに市場を開拓しよう。

王室やタレントじゃないんだから、服装の話ばっかりしてどうなる?

デート中に何考えてたなんて、知るかー (笑)



かく言うぼく自身は、

そんなにそんなに、気づけるタイプではありません。

でもだからこそ、いろんな人の、いろんな感動ポイントについて、

あー、なるほど、そう考えてみたらおもしろいね、

と、いまだに勉強中。



最近、新規入塾の生徒さんの低年齢化が進んでいるので、なおさら、

身の回りの物、ことば、出来事、、、

不思議だな、おもしろいな、きれいだな・・・

感動を伝えていけたらと思います。


世界は、美しさで溢れているよ。





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