リンゴはミカンより3個多くて、、、(さまざまな実験)

20年後の未来のために、青山プレップスクールです。


3回に分けて進めてきた今回のお話し。

小学生が、必ずつまづく、算数の文章題。

【リンゴはミカンより3個多くて、イチゴより5個少なくて、7個あります】



======================

いろいろな実験をしながら、
つまづく子は、どこでつまづいているのかを特定しようとしています。



□ リンゴやミカンの代わりに、いろいろなものを使ってみる。

⇒ 事実として知っている事は、簡単です。

   例) 【ダチョウは、チーターより足が遅く、ライオンより足が速い】

⇒ 「知らないもの」になると、途端に意欲を失うか、またはそちらに気を取られ過ぎる。

   例) 【火星人は、地球人より賢く、金星人よりバカだ】

   例) 【パドソレムニは、リゴノメダスより融点が高く、ポログロパフィンより融点が低い】

⇒ 中身の事は知らなくても良いんだ、とわかると、できる子はできる。

   例) 上のバドソレムニの話でも、こちらが拙く読むと、答えられる

⇒ 知り過ぎているものにすると、話がとっちらかる。

   例) 【ユウタは、シュンタロウよりも背が高いが、リョウスケよりも背が低い】

   自分の知ってる「ユウタ」君について、話し出す。

   あー、知ってる知ってる。


*現実ではないものを、さも現実かのように考えるのは、なかなか高等技術




□ 説明の順番や仕方を変えてみる。



⇒ 確定できる情報が遅れると、わからなくなる。そして、最後だけわかる。

   例) 【リンゴは、ミカンより5個少なく、ナシより3個多くて、12個です。】



⇒ 確定できる情報を前に持ってくると、最初だけわかる。


   例) 【リンゴは12個あって、これはミカンより5個少なく、ナシより3個多い。】

⇒ 1つ1つ確定しながら進めば、なんとかわかる。


   例) 【リンゴは12個あって、これはミカンより5個少ないよ。ミカンはいくつ?

       またこれは、ナシより3個多いよ。】


⇒ 口語にしながら、1つ1つ確認する。これなら、相当わかる。

   例) 【リンゴは12個あるんだって。これって、ミカンより5個少ないんだって。

       リンゴって、ミカンより少ないんだね。

       そしてまたこのリンゴは、ナシよりは3個多いんだって】

⇒ いったん、「もういいや!」と思ったら、何をやっても無駄。

   哀。。。最初が肝心。


*書いてあることを読むことと、心の中の声にすることは、ちょっと違うんですね。

*むしろ、、、読みながら考えるなんて、相当高等技術。





□ 数字を変えてみる。


⇒ 数字が大きくなると、それだけで難しい。

   例) 【リンゴは、ミカンより54個少なく、ナシより31個多くて、78個です。】



*計算しなきゃ!という意識が強すぎじゃないの?




□ 数字のことは、いったん置いておく。


⇒ 数字がなくても、難しいものは難しい。

   例) 【リンゴはミカンより多くて、ナシより少ない。】


⇒ 読点を入れ直すと、読みやすくなる。(←ちょっと過剰に入れるくらい)

   例) 【リンゴは、ミカンより多くて、ナシより少ない】



*数字のことはいったん置いておく方が、楽です。

*数字の事を、計算の事を同時に考えるのは、相当な負荷。





□ 多いなら、多い


⇒ 多い少ないが混じるから、またややこしい。多いに統一すれば、楽。

   例) 【リンゴは、ミカンより多くて、ナシはリンゴより多い】



⇒ 多いのと少ないので、好き嫌いがある (右利き、左利きのように)

   例) 【ミカンは、リンゴより少なくて、リンゴはナシより少ない】



*「多い」と「少ない」の言い換えだけでも、結構な負荷になる。


*そして、それには、「利き」がある。

*右利きならば、右に持ち返る。


□ 質問を変えてみる。


⇒ 大小比較だけの方が楽。

   例) 【リンゴとミカンでは、どちらが多い?】



⇒ 順番を決定するのは、当然ですが、難しい。

   例) 【リンゴとミカンとナシを、多い順に並べて】



*小問は、こんな風に配置されていたりはします。



======================


元の問題に戻ってみましょう。

白い色紙が12枚あります。赤い色紙は青い色紙より7枚多く、黄色い色紙より9枚少ないそうです。また、青い色紙は白い色紙より13枚多いそうです。赤い色紙と青い色紙と黄色い色紙を合わせると何枚になりますか?

これってやっぱり、嫌がらせのように難しいですね。


でも、頑張って一緒に読んであげながら、口語で説明していきます。


白が12枚何だね。  ここだけ式にしちゃうと、、、白=12 そのままだね。

赤は青より多いって言ってるね。 これを、赤>青 って書こう。で、7枚多いんだね。

これをどう書こうか。 書く前に、言い換えをしよう。

赤が、青よりも7枚多いということは、

青がもう7枚増えれば、赤と同じになるってことだね。

ここまで考えてから、式にするよ。

青+7=赤


今度は、黄色だね。

黄色は、9枚少ないって言ってるんだけど、何と比べて9枚少ないかな?

そこよりも前から、「○○は」とか、「○○が」を探そう。

「赤は」、だね。

赤は、黄色より9枚少ない。  少ないのはどっち?

そうだね、ということは、【もし】赤が、もう9枚増えれば、黄色と同じなんだよね。

赤+9=黄色


最後ね。がんばって。

青は、白より13枚多いってね。

青が多いんだよね。 (この子が「多い」利きである場合)

青=白+13



ここでもう一回、これを使って、図を書くよ。


・・・


こーんな難しい問題も、順番に考えていったらできたね!

また、難しい問題一緒にやろうね!!






このブログの人気の投稿

640時間の夏休みチャレンジ:日常の中の無限の学び

『いちばんすきな花』が好きすぎて・・・カルタ作って正月遊ぼう

はじめにの読書会(154)『パズルで解く 世界の言語』