育てながら勝とうじゃないか
野球に興味がない方でも、
ヤクルト1000に興味がない方でも、
人を育てながら「結果」を出す、
ということの難しさを感じていらっしゃる方は多いと思います。
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大手の塾に通っていると、毎度・毎月、テストがあり、結果次第で、クラスや席順が決まります。そうやって子ども同士の競争心や、親の競争心を煽っているのだと思います。
「結果」を出すことを目標として努力する中で、人が成長していくことは、大いにあると思います。
一方で、「結果」を出すことに注意が向きすぎて、実はちっとも子どもたちが成長していない(変な学習の癖をつけてしまっている)という面も、見過ごせません。そうでなくても、子どもたちを見ていて「疲弊している」感じることは本当に多いです。
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所謂「名門校」に入るには、入試で勝ち上がる必要があります。
そうやって、勝ち上がった子たちを集めて、学校のブランド力を高めているのだと思います。「できる」子たちがお互いに刺激し合ってより高みを目指す、ということはもちろんあるでしょう。
一方で、「できる」子たちを集めることと、「育てる」ことは別だと思います。
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ぼくが長年応援しているヤクルトスワローズは、今、気持ち悪いほど強いです(笑)。去年の優勝は、巡り合わせのラッキー感が多少ありましたが、今年は本物です。それをもたらした高津監督のスタイルは、これから野球以外の場面でも一つのスタンダードになっていくように思います。
高津監督は、アマチュア時代はエースではなく、所謂2番手。プロに入っていろいろあって、日本一の救援投手となりました。その後、メジャーリーグに渡り「ミスター・ゼロ」と呼ばれるほどの実績を残しました。しかしその後、結果を出せずに日本に戻り、最後の輝きはあったものの力の衰えは隠しきれず、日本のプロ野球を去ることになりました。普通はそれで引退、十分・十二分にやったと言えます。しかしその後、韓国に渡ったり、またアメリカに行ったり、今度は台湾に行ったり・・・最後は日本の独立リーグで投手兼監督をつとめました。その後、ヤクルトの投手コーチ、二軍監督を経て、2020年から一軍の監督となっています。
長々と書いてしまったのは、さまざまな経験を経て頂点を極め、さまざまな環境で・さまざまな野球を愛する人たちと出会ってきたのだろうということ。
その経験が、
選手を信頼し、チャンスを与え、負荷を分散し、みんなそれぞれの力を発揮しやすい環境づくりに特化する、というスタイルを築いていったのではないかと思います。
育てる=勝つ
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プロの世界なので、今後ほかのチームもマネジメントを改善・改革していくと思います。今の圧倒的な強さが未来永劫続くわけではありません。
それでも、勇気を持って新しい流れを起こした、それを目撃できたことを嬉しく思っています。
ぼくもがんばります。