カメハメハ大王の襲来
♪ 風が吹いたら遅刻して、雨が降ったらお休みで ♪
先日そんな依頼をいただきました。
8年間この仕事をやってきて、初めてお断りしました。
4歳~50歳まで、いろいろな生徒さんのいろいろな要望に合わせてきました。
それは、塾に生徒が合わせるのではなく、生徒に塾が合わせるべき、
そういう考えによるものです。
でも、今回は特別でした。
いえ、この件だけでなく、
▼ 面談は何度もドタキャンされるし
▼ 手続きはきちんとしてくれないし
▼ そして初日当日直前に、上記のご要望をいただいて、それが無理なら来ないと。。。
(準備していた私と、担当の先生は、呆然と待ちぼうけです。
100歩譲って、もしそれがクリティカルなご要望なのでしたら、
もっと前に言ってください。。。
こちらは、マンツーマンだから予定は事前に確定してくださいと
お伝えしているのに)
別にこちらは、無理に入ってくれとは申しておりません。
(生徒数を増やしたいわけではなく、ひとり一人にきちんと対応したいので。
生徒募集に、こんなに不熱心な塾もそうはないと思います)
そして、”カメハメハ大王プラン”に反対した理由も、
それが絶対に、生徒さんのためにならないからです。
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雨かどうかは、いつ時点、だれが判断するのでしょう。
当日、本人が判断するのでしょうか。
そうした場合、「ちょっと面倒くさいな」というような理由で、
お休みしてしまうことにはならないでしょうか。
その子のその日の気分で、来たり来なかったり。
小学生男子の判断です。遊びたい気持ちが勝るに決まっています。
(そんな心配がないくらいだったら、そもそもこんな話にはならない)
来るか来ないかわからないのでは、その子の勉強のペースができていきません。
こちらが立てる計画も、準備も、場当たり的になってしまいます。
それで一体何になるの? その子は将来どうなるの?
学校の成績がなんとかなれば、受験がうまくいけば、
なんとかなると思っているのでしょうか。
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結局は、親の想像力の欠如だと思います。
勉強する = 塾に通う = その費用を払うことが教育
でも何も身につかないのであれば、貴重な時間とお金は、無駄にならないでしょうか。
一番かわいそうなのは、その子です。
勉強を楽しいなんて思えないでしょうね。
早く自立したほうがいいですよ。
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ぼくの考えは、正反対です。
○ 塾に通うことが勉強ではない
机に座って計算ドリルをすることが勉強ではありません。
日々の生活の中で、先を想像し、
よりよい方向へ向かう確率を高めるように行動する。
遊びの中にも、会話の中にも、一人で道を歩いているときも、勉強です。
今日は天気が悪くなりそうだから、少し前もって行動しないとまずいな、
そう考えることも、一つの大事な勉強です。
○ 学校の成績や入試のためにすることが勉強ではない
学校の勉強をベースとしながら、その子その子の未来を開いていってあげること
無理だな、難しいな、面倒くさいな、
そうやって一人では開けられない扉に、一つ一つ、一緒に取り組みながら、
扉の開き方を経験してもらうこと、扉を開いたらとても楽しいこと、
それが、勉強です。
○ 手間暇かけるもの
うちは生徒さん一人の授業に掛けているコストは、群を抜いて高いと思います。。。
生徒さん1人に、1.5人くらいの目が届くようにしていますし、
一人一人に合わせて、接し方、説明の仕方、怒り方、褒め方、
何を優先させるか、コツコツ重視か集中力重視か、、、などなど変えています。
アルバイトの先生も、誰でもいいというわけではない。(たとえ東大行ってようが)
ここに来ている時間以外を充実させるために、
毎授業後、保護者の方と連絡を取り合っています。
集団授業とも、家庭教師式とも、異なります。
持っている基礎知識や常識がみんな違うのだから、同じ説明をしても、
わかる子もいれば、わからない子もいます。
担当の先生に丸投げでもありません。それでは属人的すぎます。
そして結果としては、少しでもましな先生は、費用的には高額になってしまいます。
(実質的には、その人の移動時間も含めて支払うことになるわけですから)
(リニューアルに際して、とてもわかりづらいと評判の資料を作りました)
杜のおはなし(新・青山Fプレップスクール)
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生活のためにやむなくやっている仕事ではありません。
もし、自分の子どもに通わせるんだったら、どんな塾がいいかな。
というのが、ぼくの判断基準です。
残念ながら既存では納得のいくものがなさそうなので、自分で作ったという次第です。
いいものがないなら、自分で作ってしまおう、と。
そして作ってみて、まあまあいいです。
完璧とは言えませんが、正直悪くありません。
ただそれは、ぼく一人の力ではなく、
これまで来てくださった数百人の生徒さんとその保護者の方のおかげだったんだな、
と改めて、今回のことを受けて思いました。
来週から気を取り直して、まだまだ、一生懸命頑張ります。