東京の空に星がたくさん見えた日々

14年前は、ちょうど中学生の子と学年末テストの対策。因数分解のコツのお話をしていました。
「うわー、揺れてるね」 「長いね・・・」 「長すぎるね・・・」
その子のおうちは、歩いても30分ほどのところでしたが、車でお迎えに来てくださって、結果としては5時間掛ったそうです(あの状況では歩いて帰るのもそれなりに危険だったのでやむを得なかったと思います)。

次の日から、コンビニやスーパーからはパン、牛乳、卵、そして例のごとくトイレットペーパーがなくなり、学校や公共施設は閉鎖。
共働きのご家庭のお子さんなどは、特に小さい子は一人でおうちに置いておくわけにもいかず、うちでたくさんお預かりしました。朝から来て、お預かりして、好きなだけいていいよ。勉強したかったらすればいいし、違うことしててもいいよ。(9年後にもまた同じようなことになるのですが)

子どもたちの中には、自分のお小遣いから募金をした子もいました。私は、それはもちろんいいことだけども、今するべきことは、しっかり勉強することだと思うよ。しっかり勉強して、みんなが困っているときに助けられる人になろうね(その頃の子たちの少なくない割合が、今は医療関係でがんばっています)。

世界がどんどん「自分ファースト」に向かう中、次の世代はその反動が来ると思います。メディアやネットには派手な日常がどの瞬間にも溢れていますが、自分で考えて行動できる、目立たなくてもちゃんと優しい子たちも育っています。みんなが自律して調和するというのは、理想に過ぎないかもしれませんが、私は人間ならできるんじゃないかと思っています。

そんなことを、夜空を見ていてふと思い出しました。
あの頃は、「計画停電」「節電」などで、東京の空にも星がたくさん見えました。



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