一条天皇と后たち『光る君へ』

  高校生のときの私は、「学校の勉強がすべて無駄とは思わんが、古典だけは絶対に不要だろう」と思って、みんなが呪文のように唱えている動詞の活用や助動詞についても暗記せずに、ただ「ボーっとする時間」と決めていました。


 時は流れて、今、中高生たちに質問しています。
「学校の勉強の中で、何が一番、将来役に立つと思う?」
1位:英語
2位:数学
3位:何も役に立たない
といったところが人気投票ですが、正解(?)は、古典です。(私調べ)

 なぜか? おじさん受けがいい。ちゃんとして見られる。それは特に若いころには武器になります。もちろん知識をひけらかすのはダメですが、世代を超えた共通のコミュニケーション基盤として、しっかり機能するのです。

 私の本棚にも、ざっと見渡したところ、源氏物語関係だけで結構出てきました。きっかけは、『源氏物語の時代 ーー一条天皇と后たちのものがたり』 歴史の授業で暗記するだけだったたくさんの「名前」が、なるほど、そこに生きていた人たちの「ものがたり」を感じることができたのです。それまでまったく興味なかったけど、ただの食わず嫌いだった。

 今年の大河ドラマ『光る君へ』も、本当に詳しいことはわかりませんが、かなり丁寧に、お金をかけて、細かいところまで作り込まれているように思います。当時の宮廷文化、紫式部日記などに出てくる名シーン、源氏物語の創作秘話?と思えるような物語。調度品、衣装、建物、、、

今、一生懸命子どもたちに伝えていることは、
「今時点の好き嫌い、興味のあるなしなんて、単なる偶然に左右されたものにすぎなくて、実は知らないこと、実はおもしろいもの、実は自分の才能が隠れているような分野、、、世界は想像以上に広いですよ」

ぜひ、興味のないところを積極的に掘り返してみましょう。

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