強い言葉と弱い言葉 (微妙な違いを感じ取れる感受性)

その先へ! 20年後の未来のために、新・青山Fプレップスクールです。


素粒子の話の中に、
自然界の4つの力として、「重力」、「電磁気力」、「弱い力」、「強い力」というものが考えられています。それはとても興味深い話ではあるのですが、今日はそこから転じた、学習指導に関する4つの言葉について。


遠くまで届く言葉
・ 重い言葉
・ 刺激的な言葉

遠くまで届かない言葉
・ 強い言葉
・ 弱い言葉


大教室で行われる集団授業、テレビやインターネットなどで流される言葉というものは、遠くまで届く必要があります。そこで使われる言葉は次の2つに分類されます。

・ 重い言葉
   偉い先生のお言葉

・ 刺激的な言葉
   聞いた瞬間に人を感電させるような、刺激に満ちた言葉


また、ごく小さな集団や個人間で交わされる言葉も、分類することができます。

・ 強い言葉
   話題をリードしていく、共通認識を生み出す言葉。
   重い言葉や、刺激的な言葉よりも強い力で、個人に働きかけます。

・ 弱い言葉
   個人間のバランスを調整したり、世界観の差異を埋め合わせる何気ない言葉。


うちは、マンツーマンのレッスンをしているので、重い言葉や刺激的な言葉は必要ありません。
普段使っている言葉は、強い言葉と弱い言葉です。


・ 強い言葉は例えば、
   ・ 「ダメでしょ!」、「勉強しなさい!」
   ・ 「この問題は、こう考えてこう解けばよい」
   ・ 「今のままでは目標達成は難しい。危機感を持って」
   ・ 大げさな褒め言葉
   ・ 「医者になるなんて詰まらない。立派なお医者さんになってください」


・ 弱い言葉は例えば、
   ・ おっ!えっ?うんうん・・・
   ・ なるほどね
   ・ で、次何するんだっけ?
   ・ さっきの問題とどこが違うかな?
   ・ こんなような話って、他の場面(別の教科や単元)でも出てこなかったっけ?


ぼくはなるべく、【弱い言葉】を多用して、【強い言葉】の使用を極力抑えています。


なぜかというと、、、
今の子どもたちの周りには、強い言葉ばかりが使われているのではないかと思うわけです。
子どもたちが普段使う言葉は、テレビなどから影響を受けた【強い言葉】が圧倒的に多いです。

言葉に限りません。
お金で買うもののほとんどは、はっきりした特徴や、わかりやすさばかりではないかと思うのです。
味の濃い料理、個性的な小物類、わかりやすい面白さ。。。

それが、企業の競争原理によって、より味の濃いものへ、よりわかりやすいものへと、加速しているように思います。企業は、「今」の生き残りのために必死の努力をしているのだと思いますが、それを消費する子どもたちにとって、それは本当に幸せなことなのだろうかと。微妙な感覚がわからなくなり、YES/NOといったはっきりした思考しかできなくなってしまうのではないだろうかと。


ぼくの、時代に逆行するような挑戦は、苦労と失敗の連続ではありますが、
それでも、限界まで【強い言葉】の使用は控えて、

○ ちょっとした表現の違いに対する感受性を持つ

○ ジェットコースターのような毎日の中で、ここに来る時は落ち着いていられる

そういう空気づくりを目指しています。


目先の点数を取るためだけだったら、ガンガンやればいいのですが、
量で勝負するのではなく、質で勝負するという世界に、
少しでも早く入っておくのがいいのではないかと思います。


3分の1の勉強時間で、人よりも成果を出す
それを当たり前にしておけば、人生3倍楽しめるというのが、ぼくの考えです。

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