「あなたの宝ものは何ですか?」_(授業風景_中学生_自由英作文)_自分で考える型

20年後の未来へ向けて、青山プレップスクールです。


「あなたの宝ものは何ですか?」



ある中学校の課題(自由英作文)です。




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中: 宝ものなんてないんですけど。。。


     ぼ: あれ、それは困ったね。


中: 普通なくないですか? 中学生で。



     ぼ: うーん、何が普通かってのは、なかなか難しい問題だよ。

        自分が、自分の周りが、普通とは限らないからね。


        まあ、それは今度また考えることにして、

        本当にないなら、「ありません」 って答えでもいいと思うよ。

        『ぼくには宝ものはありません』 それで書けるでしょ!

        それで行くか。具体的に、話の流れを考えてみよう。



*問題意識を共有して、今の思いつきレベルのものでも、具体的にする。
*具体的に考えれば、道は見えてくる。
**<ただ、残念ながら今回はそのようには進みませんでしたが>


中: いや、何か書かないといけないと思う。

     ぼ: そうか~。 マジメだね。いいよ。

        じゃあ、何か探してみよう。

        ところで、「宝もの」って何?



*いつもいつも、「問い」が大切だよ。
*困ったら、「問い」に戻って問いの意味を問う。



中: え! 宝って、宝じゃないですか。

     ぼ: うん、だからその「宝」ってのが何なのかわかってなくて、答えられる?


中: え~! だって、宝は宝だし・・・。

     ぼ: じゃあ、具体的に考えてみよう。

        一般的に、みんなが宝ものとしてイメージするものは、どんなもの?



*わからなかったら、少し具体的に考えてみよう。常套手段。
*具体例は、普通の一般的な、みんなが考えそうなものでいいよ。



中: 宝石とか、金貨とか、、、思い出とか、友達とか。。。

     ぼ: そうだね!

        ところで、今挙げたものたちに共通するもの/性質って何だろう?


*具体例を挙げて終わりにしないよ。必ず、抽象化する。
*具体と抽象を、行ったり来たりするよ。



中: えー、高いもの、価値のあるもの。。。キラキラしてるもの

     ぼ: そうだね! 特に、「キラキラしてるもの」ってのが、おもしろいね!


*たまたま出てきた、良い言葉には、『マーク』してあげよう。


        じゃあ、辞書で調べてみようか。


*調べることは大事。
*辞書は大事。
*すぐに調べることは大事。


中: 元々は、希少性があり、価値の高いもの・・・・

     ぼ: なるほどね! 元々は宝石や貴金属で、

        きれいで珍しいから、みんなが欲しがるから、価値が高まったのかな。

        その意味が広がって、「もの」でなくても、

        価値があるものを宝ものというように

        なったのかな。比喩の一種かもね。


*ルーツを、そこからどのように転じてきたか、物語をイメージする。


        色でいうとどんな色かな? 形でいうとどう? 重さはどう?

        音は?においは?触った感じは?


*できるだけ、五感を使って、「腹から」イメージするように。


中: 色は、金色とか。形は、丸いものでも、とがったものでも。重さは重い。

    音は、深くて丸い音、においは、、、しないかも。

    さわった感じは、ずっしり、しっとり、なめらか、、、


     ぼ: だいぶんイメージできてきたね!

        ところで、「価値がある」って、どういうことだろう?

        誰にとっての価値なんだろう?


*どこから光を当てているか、意識すること。(意識できれば、変えることもできる)


中: それは持ってる人じゃないですか?

     ぼ: だけど、本当の価値はわからなくても、

        お金たくさん使って集めまくってる人もいるよ。

        その人にとっての価値って何なんだろうね?

        その人が、本当に欲しいものって何なんだろうね?


*客観的なもの? 主観的なもの? も、よく使う分類法。


中: その人は、みんなから、『すごいですね!』って言われることが、

    宝ものなのでは?


     ぼ: そうだね、そうかもしれないね。

        本当のところは聞いてみないと (聞いてみても) わからないけど、

        十分ありえそうな話だね。


*決めつけはしない。「確からしさ」くらいまで。


        だいぶん話が散らかってきたから、少し整理してみよう。

        宝ものとは?


*話を散らかってきたら、ストップ。
*そこまでを整理。


中: その人にとって価値があるもので、

    形のあるもの、高価なものであることもあるが、

    形のないものでもあることもあり、

    また他人から見て価値のないものであることもある。


*よくまとめたね!すごい。


     ぼ: そうだね。だから、個人的な思い出を思い出させるもの

        なんてことも多いね。

        じゃあ、改めて、「あなたにとっての宝物」とは、なんだろう?


*抽象化したら、具体化。


中: うーん、思い出はあるけど、ものはそんなに大事にしてこなかったなあ(笑)。


     ぼ: そうか〜。

        そんな風に、日頃からものと接しられたらいいね。

        何も考えないと、結構雑に扱っていたりするよね。


*日常の振り返りも。


        じゃあ、時間を変えてみようか。

        中学生が高価なものを持っていて、自慢することも、まあ変だし、

        そうすると、みんな思い出がらみのことをいうだろうから、

        ちょっとがんばって、人と違うことを考えてみよう。


*「正解」をつくることが大事じゃない。
*ちょっと「がんばって」、自分で考える練習。
*ルールの中で、考える練習。


        「思い出」が、過去の自分に関連する価値の高いものだとすれば、

        同等に価値をあるものって、どこを探したらいいかな?


中: 未来


*時間をずらす。
*他には、空間をずらす、という手も。


     ぼ: そうだね。未来において、

        未来の自分にとって、(おそらく)価値があるだろう

        と思えるものってなんだろう?



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そうやって、書くイメージがしっかりできた後は、
すんなり書けていましたし、
内容も、とてもおもしろいものになりました。


やるではないか!




「問い」の世界を、心の中の風景として、
しっかりと描くことができれば、
たいていの問題には、対処できるよ。
イメージができれば、「勘」が働きだすからね。



それは何なの? 何を聞かれているの? を糸口として、
■ 分割する、統合する
■ 具体化する、抽象化する
■ 時間をずらす、空間をずらす、
■ 大きくする、小さくする
■ 言い換える、喩える、見立てる
・・・


「頭」で覚えることも、必要ではあるけれど、

「体」に染み込ませるための訓練も、必要ではあるけれど、

「心」の作用を自分の中に感じ取って、自分の心と対話すること

それがぼくにとっては勉強です。


そのために、何をやるでも、

すっと心を落ち着かせて、

さっとやってしまう。



目に見えないような細かいことですが、

ぼくは、そうやって物事を考えます。



自分なりの考える「型」、「スタイル」、「流儀」をつくっていきましょう。



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