(学びの五輪書)脇構え

20年後の未来のために、青山プレップスクールです。

5つの構えをより具体的に。
前々回は、上段の構えについて。
(これは、普通に勉強しててもできる)
回は、中段の構えについて。
(これは、問題の核心をズバッとつけたら、気持ちいいですよね)
回は、下段の構えについて。
(これは、結論から逆算する思考)

回は、八双の構えについて。
(これは、結論から逆算する思考)




さて、このシリーズ最終回は、
脇構えについて。




刃先を、相手の眼線と並行にすることで、
剣の長さを、相手にわからなくさせる。


間合いがつかめないうちに、わっとやっつけちゃう。






数学でいえば、わかってるかどうかは別として、
いきなりわっと斬り込んで、答えられているものだから、
相手(出題者)を大いに惑わす解答になります。








答えや解き方を丸暗記しているから、できる
というやつですね。


学校の定期テストなどでは、大いに威力を発揮しますが、
入試、実力テスト、そしてそもそも、何のために数学の勉強をしているのか。。。




とはいえ、これも一つの有効な方法!
(というのが、ぼくの立場です)






今日は、過去に出題された、東京大学の入試問題から。


========================================


ちなみにこれは、当時中学生だった生徒さんから教えてもらったもの。
学校の授業で出されたと。




つまり、、、中学生の知識で解けるということです。




ということで、中学生の知識で解ける、ということを決め打ちにして、
解いていくことにします。




【問い】 y=x^2 の直線上に、3点 P, Q, R があり、△PQRは正三角形である。直線PQの傾きが、√2である時、△PQRの1辺の長さを求めよ。


さあ、どうしましょう。


まずは、グラフを書きますよね。
うまく正三角形に見えるように、そして、PQの傾きが√2であるように、
いきなりは書けないので、何度か書き直します。






*この図も「いまいち!」ですが、、、とりあえず。




**図を、【それらしく】、【手早く】、書くことは、とてもとても、重要。それは、八双の構えです。
















さて、どうしましょう。


高校生であれば、直線の式を、60度回転なんてことも、(行列を使えば)簡単ですが、
そして、正三角形というのは、相当大きな制約なので、
式をいくらでも作れそう。




まあ、やってればできるだろう。


そんな感じの、東大入試としては、易しい問題じゃないかなと思います。
(*式いじりは、それなりに大変かもしれませんが)




しかし、中学生が解くとすると、、、
★ 図形的に解くんだろうな
★ 三平方の定理とか、たくさん使うんだろうな




このあたりを、【決め打ち】にして、解いていくことにします。
**解法を、決め打っちゃうところが、脇構え**




1辺の長さを a として、
Pの座標をP(p, q)として、Qの座標を考えてみます。


Qを通り、y軸に平行な直線と、Pを通りx軸に平行な直線の交点を、Sとすると、
△PSQは、直角三角形になります。


ここで、
PQの傾きが、√2なので、
PS:QS=1:√2です。
ということは、
PS:QS:PQ=1:√2:√5
今、PQ=a であるので、
PS=a/√5
QS= (√2)a/√5
とわかります。


つまり、Qの座標は、
Q(p+a/√5,  q + (√2)a/√5)
とわかります。




ここで、Rから、PQに垂線を下ろして、
その足をHとすると、
PQ⊥RH
であり、また、
PH=QH
つまり、Hは、PQの中点となります。


ということは、Hの座標が求まります。
H(p+a/2√5,  q+((√2)a)/2√5)










ここで、Rからy軸に平行な直線と、Hからx軸に平行な直線の交点をTとすると、
△RTHは、直角三角形となり、


∠QPS=∠PHT (平行線の錯角)なので、


△PST∽△RTH  (2角相等)


となります。


ということは、辺の比は、前述の、1:√2:√5となります。


また、△RPHは、1:2:√3の直角三角形なので、RH=(√3)a/2






すると、まあ、同じように、
計算すれば、Rの座標が求まりますよね。




R(p+(1-√6)a/2√5, q+(√2+√3)a/2√5)


















ところで、
P, Q, Rは、y=x^2上の点ですので、


q = p^2                                                          ------ Pの座標

q + (√2)a/√5 = {p+a/√5}^2      ------ Qの座標

q+(√2+√3)a/2√5 = {p+(1-√6)a/2√5}^2   ------ Rの座標




この連立方程式を、(がんばって)解けば、できますよね。
後は単なる計算問題ですので、上流数学では扱いません。






このように、方法を決め打ってしまえば、
中学生であっても、たとえ東大の入試問題であっても解くことが出来ます。




方法決め打ちは、このように、大変強力です。
しかし、あてずっぽうで使った方法が間違っていたら、、、それは
解くことが出来ないか、相当苦労するか、答えが出ても不十分であるか。




武器が強力であれば強力であるほど、
まあ、諸刃の剣ではあるわけです。






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