壊れる構造、腐る技術、生まれ変わる仕組み

20年後の未来のために、青山プレップスクールです。


今、ぼくたちが、次の世代のためにできること、
それは、何でしょうか。

● 絶対安全な発電システムを作ること?
● 巨大な建造物で、日本国土を埋め尽くすこと?
● 「健康」で、「衛生的」で、「安全」で、「安心できる」 世の中を作ること?
● すべてを、「わかりやすく」すること?

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ぼくは、いわゆる団塊ジュニア世代です。
同級生が、200万人弱。(今の、33歳~42歳くらいまでの世代)

これは、
今の大学生の世代の、約1.4倍。
今の小中高校生の世代の、約1.7倍。
に相当します。


原則、多数決が採用されている現在の仕組みでは、
一票の格差の違憲性が問われるほどではないにしても、
(衆議院で2倍程度、参議院で6倍程度)
政治も、経済も、ぼくらの世代を、現在または将来の中心とみなすでしょう。
それは、そういう仕組みだから。

そして、このまま世の中が推移した場合、
なんだかんだで、ぼくたちの世代も、次の世代にいろんなものを先送りすることになるでしょう。

▽ 年金にせよ
▽ 財政赤字にせよ
▽ エネルギー問題、放射能の問題
▽ 食糧問題
▽ 高齢者医療の問題
▽ 自然環境の問題
などなど

これらは結局、先行者が良いとこ取りをして、
その債務を、将来に先送りしてきたものたちです。


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しかし、それ以上にぼくが、気の毒だと思うことは、

▼ 「もの」をつくり過ぎてしまったこと


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・ 新しい「もの」を作りたい、
・ もっといい「もの」を作りたい、
・ 今までにない、自分たちや今の時代を象徴する「もの」を作りたい
別に物にこだわりません。
新しい考え方、発想、アイディア、解釈、芸術、音楽、文学。。。

そういう欲求って、人間だれしも、心のどこかには持っているのではないかと思います。

その、欠乏感が、創造力を生み、
希望を与え、克己心を養う。


しかし、もし、生まれてからずっと、
・ 大体必要なものはすべて揃っており、
・ 特に生活上苦労することもなく、
・ すべてのことに、「やり方」が決まっていて、「最適な方法やテクニック」が用意されていて、
・ 何か作ろうにも、そのためには今あるものをなくすのが先決だったら。。。

(そのくせ、就職活動では、「創造的な人材」とか言われちゃうわけですから、、、)



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人間の創造力は、「最新の脳科学により開発された」 おもちゃ
などで、開発されるものではないと、ぼくは、思うのです。

だって、何万年という歴史の中で、
自然に人間は、それを続けてきたのです。

むしろ、欠乏こそが、次への新しいエネルギー源になる。


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ぼくたちの世代が、ぼくたちの感性で、ぼくたちのものを作るのは、
もちろん結構なことです。

しかし、たとえばですが、
▽ 100年耐久性がある(と謳われている)建物で、都市を埋め尽くし、
▽ 1000年大丈夫と言われる道路や橋を作り、
▽ 10000年腐らないコンクリートを作ったところで

それって結局、
▼ 将来の創造力の芽を摘むことであり、
▼ 将来に対して、自分たちの価値観を押し付けること
にはならないでしょうか。


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次の世代は、次の世代で、
勝手なことをやればいい、

それが、ぼくの考えです。

その時代の感性を反映した、その世代にしかできないことをすればよい。


流動性を高めたうえで、
それでも何がしか受け継がれるものがあるとすれば、
それが、文化であり、伝統ではないかと思うわけです。

「伝統文化を保存するために、巨大な施設を作りました」
そういうことじゃないんじゃないかと、ぼくの感覚は感じるのです。


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技術も同様です。

「今」の最新の技術は、
10年後には、古い技術になっているか、忘れ去られているか、です。

ですから、今の最新の技術で、何十年も先を見越したものを作ることは、
将来から見れば、遺物を作られたことにしかなりません(ちょっと言い過ぎか)。


言いたいことは、
いろいろなものを、

○ 堅固に作るのではなく、むしろ壊れやすくしておく
○ 腐らないものを作るのではなく、むしろ腐って自然に帰るものを作る
○ お手入れ不要のものを選ぶのでなく、むしろいつもお手入れが必要なものを選ぶ

消費期限が付いている
いつでも入れ替える


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はっきり言って、面倒くさいです。
ミクロで見れば、不経済でもあります。

ただ、長期的な、流行り言葉で言えば、sustainability という意味では、
むしろ効果的ではないかと思うわけです。


**手入れしないと、溶けて無くなっちゃう素材とか、むしろ便利すぎるか?**
**醜悪なものは、醜悪なものとして残した方が、面倒かけた方がむしろいいのか?**


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最新の巨大な建造物に、ほーと思うことはもちろんありますが、

そこらへんの、一本の木の立ち姿、葉の一枚の方に、

むしろ感動を、ぼくは覚えます。



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