坂本竜馬の受講姿勢

以前に書いた記事の出典が明らかになったので。

「竜馬がゆく」 文庫本で2巻 風雲前夜

他の塾生は、懸命に、文字の綴りを記憶することに熱中したり、物真似の猫八のように発音をくりかえしくりかえし勉強しているが、竜馬だけは、末席で鼻毛をぬきながら、そんなこと(オランダでは議会というものがあって、人民の幸福のために政治を行っている、おどろいたなあ)ばかり感心していた。

(中略)

(先生の)訳が終わるころ、いつもながら居眠ったような姿で膝小僧を抱えている竜馬が、急に顔をあげ、
「いまの訳、間違うちょります」
塾生は、みなおどろいた。蘭語の一語もおぼえようとしないこの剣術使いが、いきなり先生の誤訳を指摘したのである。

(中略)

いまのねずみ(先生のこと)の翻訳では、竜馬がカンでさとった民主主義の本義からはずれているのである。その点から誤訳を指摘したわけだ。

(中略)

ねずみは、怒りに手の指をふるわせながら自分の翻訳を検討した。
ねずみの顔色がだんだん蒼ざめてきた。
竜馬のいうとおり、あきらかな誤訳であった。ねずみは、ぐっと顔をあげた。
「諸君、あやまる。間違うちょった」



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